Tossy Spivakovsky (トッシー・スピヴァコフスキー)
Tossy Spivakovsky (トッシー・スピヴァコフスキー)。ロシアの男性ヴァイオリニスト。1906年12月23日生まれ。1998年7月20日没。
1906年にまだロシア帝国の一部であったオデッサで生まれた。ポグロムの脅威にさらされながらも一家でベルリンに移り住み、個人的にアリゴ・セラートに、後にベルリン音楽大学でウィリー・ヘスに師事した。10歳で最初のリサイタルを開くなど、天才的なヴァイオリン奏者であった。著名なコンサートピアニストである兄のヤコブ・ヤッシャ(1896-1970)とともに、13歳で初のヨーロッパ・コンサートツアーを行い、オランダ、イギリス、ノルウェー、スウェーデン、そして1919年にはデンマークの王族のためにオーケストラとソリストとして演奏した。フルトヴェングラーに才能を見いだされ、わずか18歳でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団に最年少のコンサートマスターとして採用された。その2年後、ヨーロッパでのソロ活動のために退団した。1920年代には、弟のヤッシャとスピヴァコフスキー・デュオを組んで演奏活動を行っていた。1930年、トッシーとヤッシャは、チェリストのエドムンド・クルツとともに、高い評価を得ているスピヴァコフスキー・クルツ・トリオを設立した。1933年、このトリオがオーストラリア・ツアーを行っていたとき、ドイツでナチスが政権をとり、スピヴァコフスキーのヨーロッパでの活動が一時的に停止した。スピヴァコフスキー・カーツ・トリオの3人は全員、メルボルン大学音楽院の教員となった。1939年、アメリカに移住し、ニューヨークに定住した。1940年、ニューヨークのタウンホールでデビュー。1942年、アルトゥール・ロジンスキー指揮のクリーブランド管弦楽団のコンサートマスターとなり、ソリストとしても活躍した。1943年、ロジンスキーに招かれ、オハイオ州クリーブランドでバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番をアメリカで初演した。その後、ニューヨークとサンフランシスコでもこの作品を初演している。バルトーク自身は、スピヴァコフスキーのニューヨークでのヴァイオリン協奏曲の演奏を「第一級」と評している。この演奏が非常に高く評価されたことで、スピヴァコフスキーのアメリカでのソリストとしての活動が始まった。レオン・キルヒナーの「ソナタ・コンチェルタンテ」とデヴィッド・ダイアモンドの「カンティクル・アンド・パーペチュアル・モーション」の初演でソリストを務めた。また、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団との共演で、フランク・マーティンとカール・ニールセンのヴァイオリン協奏曲をニューヨークで初演した。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカデンツァを自作し、1964年にBreitkopf & Hartel社(Wiesbaden)からNo.6460として出版された。また、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲全5曲のカデンツァを作曲し、1967年にWilhelm Zimmermann社(フランクフルト・アム・マイン)から出版された。40年以上にわたり、アメリカ、カナダ、南米、イスラエル、ヨーロッパなど広範囲に渡ってソロ演奏を行ってきた。また、1974年から1989年まで、ニューヨークのジュリアード音楽院でヴァイオリンと室内楽を教えていた。楽器から最も豊かで輝かしい音色を引き出すために、スピヴァコフスキーは革新的なボウイングの方法を開発し、その詳細はゲイロード・ヨストの著書『The Spivakovsky Way of Bowing』に記載されている。作曲家が望んだように演奏するために、オリジナルの楽譜を探して研究していた。例えば、バッハが無伴奏ヴァイオリン作品のある和音をアルペジオなしで演奏することを望んでいたことを発見し、「Problem of Arpeggiation in Bach's Music for Solo Violin」と題した記事を書き、『Musical America』誌1954年2月号に掲載された。その後、1967年に『ミュージック・レビュー』誌第28巻第4号に論文「バッハの無伴奏ヴァイオリンのための作品におけるポリフォニー」を掲載している。1957年にエミール・テルマーニュイが湾曲弓で演奏したバッハの無伴奏ヴァイオリン作品の録音を聴き、デンマークのクヌード・ヴェスターゴーから湾曲弓(ヴェガ・バッハ・ボウ)を購入し、自分用にした。バッハ用の湾曲弓ウを使うことで、それ以降、バッハのソナタやパルティータの4弦全体の和音を、より簡単に、より豊かに奏でることができるようになった。
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