Augustin Hadelich (アウグスティン・ハーデリッヒ)
ヴァイオリニスト
Augustin Hadelich (アウグスティン・ハーデリッヒ)。ドイツの男性ヴァイオリニスト。1984年4月4日生まれ。
イタリアのチェチーナでドイツ人の両親のもとに生まれた。5歳より農業従事者でアマチュア・チェロ奏者の父のもとでヴァイオリンを学び始めた。7歳からすでにソリストとしてステージに立っていた。トスカーナの田舎のハーデリッチ農場の近くに出張していたウト・ウギ、クリストフ・ポッペン、イゴール・オジム、ノーバート・ブレインなどのヴァイオリニストから不定期にレッスンとマスタークラスを受けた。1999年、イタリアの実家の農場で起きた火災で負傷し、空輸されてドイツで治療を受けた。 この事故により、ハーデリッチは1年以上演奏することができなかった。回復後、イタリアのリヴォルノのマスカーニ音楽院を優秀な成績で卒業し、ジュリアード音楽院への入学オーディションに合格した。2004年から2007年までジュリアード音楽院でジョエル・スミルノフに師事し、2005年にグラジュエイト・ディプロマ、2007年にアーティスト・ディプロマを取得した。卒業後もニューヨークに居を構え、2014年にアメリカ国籍を取得した。2006年にインディアナポリス国際ヴァイオリンコンクールで優勝。2008年、ハリウッド・ボウルでジュリアン・ラクリンの代役を務め、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団と共演した。ベイル音楽祭で、ヴァイオリニストのニコライ・ズナイデルの代役としてニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団にデビューした。 その後、ロサンゼルス・フィルとニューヨーク・フィルに何度も復帰し、ボストン交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、シカゴ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、サンフランシスコ交響楽団、アトランタ、ボルチモア、シンシナティ、ダラス、デトロイト、フロリダ、ヒューストン、ミネソタ、モントリオール、オレゴン、シアトル、セントルイス、トロント、ユタ、バンクーバーの交響楽団など北米の主要オーケストラと共演している。バイエルン放送交響楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・リバプール・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ・オーケストラ、NHK交響楽団、香港フィルハーモニー交響楽団などヨーロッパとアジアの一流オーケストラとも共演している。2019年にハンブルクのNDRエルプフィルハーモニー交響楽団と3年間、提携アーティストとして就任。ヴァイオリン協奏曲の定番レパートリー（ベートーヴェン、ブラームス、シベリウス、チャイコフスキーなど）、トーマス・アデス、アンリ・デュティユー、ギョルジ・リゲティのヴァイオリン協奏曲や、ブレット・ディーン、デヴィッド・ラング、ギョルジ・クルターク、武満徹、ベルント・アロイス・ツィンマーマンによるリサイタル作品など幅広いレパートリーを持っている。2017年12月、イギリスのエクセター大学から名誉博士号を授与された。2016年2月、ロサンゼルスの第58回グラミー賞において、シアトル交響楽団と音楽監督ルドヴィック・モルロとの共演で、アンリ・デュティユーのヴァイオリン協奏曲『L'arbre des songes』をシアトル交響楽団メディアレーベルで演奏し、グラミー賞のベストクラシック楽器ソロ部門を獲得した。エイヴリー・フィッシャーのキャリア助成（2009）、ボレッティ＝ブイトーニ・トラストのフェローシップ（2011）およびリンカーンセンターのマーティンEセガール賞（2012）も受賞している。
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