Suna Kan (スナ・カン)
ヴァイオリニスト
Suna Kan (スナ・カン)。トルコの女性ヴァイオリニスト。1936年10月21日生まれ。2023年6月11日没。
5歳でヴァイオリンを始め、9歳のときにトルコの大統領府交響楽団とモーツァルトとヴィオッティのヴァイオリン協奏曲を演奏して、初めて公の場でコンサートを行った。アンカラでワルター・ゲルハルト、イゼット・アルバイラク、リコ・アマールの各氏に師事した。1949年、トルコ大国民議会の特別法により、奨学金を得てフランスに派遣される。帰国後、1960年代からアナトリアでトルコ人ピアニストのフェルフンデ・エルキンと、その後ギュライ・ウラタと定期的にコンサートを行った。ウラタとのパートナーシップは29年間続いた。スナ・カンは、これまでにイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、ベルギー、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、ロシア、中国、日本、南米諸国、カナダ、アメリカなど、世界各地でコンサート・ツアーを行ってきた。イシュトバーン・ケルテス、アルトゥール・フィードラー、ワルター・サスキンド、ハンス・ロスボー、ズービン・メータ、ゴットホルト・レッシング、ルイ・フレモー、ミシェル・プラッソンなどの偉大な指揮者のもと、ロンドン交響楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団、バンベルク交響楽団、レジデンテ・オーケストラ(オランダ)、モスクワ交響楽団、フランス国立放送交響楽団(ORTF)など、多くの国際的なオーケストラと共演。また、ユーディ・メニューイン、イーゴル・ベズロドニー、ピエール・フルニエ、アンドレ・ナヴァーラ、フレデリック・リドルなどの著名なアーティストと共演した。1970年代には、指揮者のギュレル・アイカル、音楽評論家のファルフ・ギュヴェンチとともに、TRTアンカラ室内管弦楽団の創設者であり、同楽団では、ソロ・ヴァイオリニストとして、またヴァイオリン・グループのメンバーとして活動した。1986年からは、コンサート、放送、録音活動に加えて、アンカラのビルケント大学音楽・舞台芸術学部のヴァイオリン教授を務めている。1971年、トルコ政府より「国家芸術家」の称号を受け、フランス政府より「国家功労賞シュヴァリエ」を授与される。1996年には、トルコのクラシック音楽の優れた演奏家や芸術家に贈られる「セブダ・セナップ・アンド・ファンデーション・ゴールデン・メダル」を受賞。1997年には、ユーディ・メニューイン、アンドレ・ナヴァラ、ピエール・フルニエなどの巨匠たちと共演し、その解釈で高い評価を受けた。また、トルコの交響曲作曲家の作品をヴァイオリンのために解釈した先駆者でもあり、ネシル・カジム・アクシーズ、アフメッド・アドナン・セイグン、ウルヴィ・セマル・エルキンの「ヴァイオリン協奏曲」を演奏している。数少ない録音の中には、ウルヴィ・セマル・エルキンの「ヴァイオリン協奏曲」をトルコ大統領交響楽団やミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団と共演したものや、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲全曲をTRTアンカラ室内管弦楽団と共演したものなどがある。フォルテピアノのコッラード・ガルツィオ、ヴィオリーノのカンとのブラームス、グリーグ、ドビュッシー、バルトーク、ドヴォルザークの演奏の録音は高い評価を得ている。
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